会社では数年間Windowsを使っており、日々の開発作業はCMDやPowerShellを行き来しながら行っていた。Windows Terminalは以前よりずっと使いやすくなったとはいえ、複数のAIエージェントを同時に実行したり、ログを確認したり、ターミナルを操作したりするたびに、やはりたくさんのウィンドウを開いてAlt+Tabで切り替え、目が回るほどだった。この個人サイトのプロジェクトを立ち上げて、macOSでcmuxに触れるまで、私は「AI時代のために設計されたターミナル」とは何かを、初めて実感しました。
cmuxとは?
cmuxは、Ghosttyのlibghosttyレンダリングエンジンを基盤に、SwiftとAppKit(Electronではありません)で開発されたmacOSネイティブのターミナルアプリケーションです。その位置付けは明確で、複数のAIエージェントを同時に実行する開発者のために設計されています。もしあなたが毎日Claude Code、Codex、Gemini CLIといったツールを使っているなら、cmuxはまさにあなたのために作られたターミナルです。しかも完全に無料のオープンソースで、GPL-3.0ライセンスの下で提供されています。
ウィンドウ切り替えの滑らかさ
cmuxは垂直タブシステムを採用しており、サイドバーには開いているすべてのワークスペースが明確に一覧表示されます。各タブにはGitブランチ、作業ディレクトリ、リスニングポートなどの情報も表示されます。ワークスペースの切り替えはショートカットキー一つで可能で、その過程でターミナル画面から離れる必要はなく、指をキーボードから離す必要もありません。
GPUによるレンダリング高速化が施されているため、多くのワークスペースを開いていても、スクロールや切り替えは非常にスムーズで、カクつきは一切ありません。これは私が初めて使った時に衝撃を受けた体験です。
通知リング:タスク完了時の自動通知
これが私にとって最も驚いた機能であり、そもそもcmuxを紹介しようと思ったきっかけでもあります。あるワークスペース内のAIエージェントがユーザーの入力を必要とする際、ウィンドウの周囲に青い通知リングが表示され、サイドバーのタブも点滅してバッジが表示されます。さらに素晴らしいのは、macOSのネイティブ通知システムを通じてデスクトップ通知が直接プッシュされる点です。
追加設定は一切不要で、インストールしてすぐに使えます。 Cmd+Shift+U クリックするだけで最新の未読通知に直接ジャンプできます。一日中ターミナルと向き合っている私たちエンジニアにとって、これはまさに福音です。
分割ウィンドウ:1つの画面ですべてを処理
cmuxは各ワークスペース内で水平および垂直分割をサポートしており、複数のパネルを同時に表示できます。私が現在開発時に採用している標準レイアウトは、左側にdevサーバー、右上にClaude Code、右下にはいつでもコマンドを実行できるターミナルを配置するというものです。1つの画面ですべての状態を把握できます。
内蔵ブラウザ:画面を切り替える必要なし
この機能には目を見張りました。cmuxにはターミナルと並べて表示できるブラウザが組み込まれており、しかもスクリプトで制御可能です。AIエージェントが開発サーバーと直接やり取りできるため、手動で外部ブラウザに切り替えたり、ポート転送を設定したりする必要がありません。フロントエンド開発の際、コードを修正した直後にその横で結果を確認できるため、特に便利です。
スクリプトによる制御
cmuxはCLIツールとUnixソケットAPIを提供しており、ワークスペースの作成、パネルの分割、入力の送信、内蔵ブラウザの制御など、すべてをプログラム的に制御できます。つまり、スクリプトを1つ書くだけで、開発環境全体をワンクリックで起動でき、各ワークスペースで異なるエージェントを実行し、レイアウトも自動的に整えることができます。
設定ファイル不要の設計
cmuxには複雑な設定ファイルは必要ありません。覚えるべきプレフィックスキーもなく、メンテナンスすべき設定ファイルもありません。もしすでにGhosttyを使っているなら、cmuxは既存の設定(フォント、テーマ、色)を直接読み込むため、全く手間なく使い始めることができます。
対応AIツール
cmuxは、現在主流のAIコードアシスタントをネイティブでサポートしています:
Claude Code
Codex
Gemini CLI
OpenCode
Kiro、Aider、Goose、Amp、Cline
実際には、ターミナルで実行できるツールであればすべて対応しています
その他の注目すべき機能
SSH サポート:リモートワークスペースの作成、ブラウザトラフィックのプロキシ化、ドラッグ&ドロップアップロード、エージェント通知をリモート環境でも利用可能
マルチエージェント連携:Claude Code teammates および oh-my-openagent をネイティブでサポート
軽量かつネイティブ:Swift + AppKitで構築されており、システムリソースの効率が高い
豊富なショートカットキー:ワークスペース、分割画面、ブラウザなどの機能を網羅し、カスタマイズも可能
まとめ
cmuxは単なるターミナルエミュレーターではなく、AI時代に特化して設計された開発ワークステーションです。長年Windows環境で働いてきたエンジニアである私にとって、cmuxに移行して初めて、ターミナルがこれほど便利であることに気づきました。もしあなたも毎日AIエージェントやターミナルを扱うエンジニアなら、ぜひcmuxを試してみてください。きっと、もう元には戻れないと感じるはずです。